2008年1月14日

『イラク建国』 阿部重夫

イラク建国 (中公新書)イラク建国 (中公新書)
阿部 重夫

中央公論新社 2004-04-25
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イラクは、きわめて人工的な「不可能な国家」であって、土壌に根付く物にはなり得ない。
これが著者の主張だろうか。

「イラクの無冠女王」ガートルード・ベルの生涯を軸に、イラク建国史をドラマチックに描き、筆は2003年のアメリカによるイラク侵攻にまで及ぶ。

興味のそそるエピソードが並んでいるのに、読み進むにつれ疲労する。
この理由は、あまりにも自由自在な筆先にひっぱりまわされることと、「美文」の嵐のため。
19ページに及ぶ「プロローグ」からそれは予想できたが、あまりにも・・・。

文体の好みは人それぞれだが、おらぁ、いかにもな「美文」は、自己愛を押しつけられているようで、好きになれない。

文章にだって「機能美」がほしいんだよ、ちくしょうめ。

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