2008年1月18日

『城下の人』 石光真清

城下の人―石光真清の手記 1 (中公文庫)城下の人―石光真清の手記 1 (中公文庫)
石光 真清

中央公論新社 1978-07-10
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「石光真清の手記」シリーズの第一巻。

石光真清は、明治元年、熊本氏族の家に生まれた。
ということは、アレですよ。
神風連の乱、西南戦争のまっただなか、少年時代を過ごしとるんですよ。

この辺りは、恥ずかしながら「翔ぶが如く」くらいでしかしらないのだが、リアリティの質が全然違う。
熊本城の天守閣炎上にしても、翔ぶが如くでは鳥瞰的に「出来事」として淡々と書かれていたように思う。
(それは司馬遼の魅力の一つだけど)
お城を見上げて涙する城下の人々なんて、想像しなかったYO!

大津事件で、日本人がどんなに震え上がったか、てのも初めて実感できました。

日清戦争へは陸軍中尉として、台湾遠征。
三国干渉でロシアの脅威を肌で感じた著者が、ロシア研究の必要を感じ、予備役へ編入、シベリアへ潜入することろまで。

俺でも知っているレベルの、明治の有名人がたくさん出てくるのも魅力。
この巻だけでも、天皇陛下、皇后陛下、村田新八、田村怡与造、樺山資紀、谷干城、徳富蘆花、橘周太・・・。

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